【日本代表】米国戦の意義は

ジーコはこの試合で、何をやりたかったのだろうか。ワールドカップイヤーの初戦とはいえ、ピークを持ってくるべきはまだまだ先。海外組も召集していないとなれば、最大のテーマはケガ明けの久保を試すことと、その場合のフォーメーションに3-6-1を持ってくるオプションが可能なのかどうかを見たかったのではないだろうか。しかし、それにしては久保のフィジカルは不十分。厚いはずの中盤でボールが取れなかったのも、ピッチの状況やアメリカの高さもあるだろうが、役割分担とゲームプランができていなかったということだろう。

だいたい、このメンバーでこのフォーメーションでの練習は今回のキャンプだけ。しかも練習試合の相手は現地のクラブチームというと聞こえはいいが、日本でよくやるJクラブのユースよりも数段落ちる素人相手だ。リーグ戦の長いオフを利用して強化の最終段階にあるアメリカと、オフ明けでトレーニングモードの日本を比べる必要は、今の時点ではない。

そう考えれば、巻、佐藤、長谷部を使う展開になり、彼らがそれなりに可能性を示したことは意味があったのではないだろうか。特にレギュラークラスの選手の、今の敵はポジションを争うライバルたち。ジーコの評価を少し下げることよりも、ケガでポジションを失うことだろう。ケガではなく、若手の底上げで危機感を募らせてくれれば、それが一番よいはず。実戦モードは、インド戦からで十分だ。