【TOKYO 2020】男子サッカー/日本―メキシコ

余裕と慢心が交錯した、見応えのある試合だった。序盤から全開で仕掛けてきたメキシコに対し、日本は1対1の強さを存分に発揮して応戦。堂安が仕掛けて久保、相馬がPKをもらって堂安と、理想的な形で2点を先制する。ここから反撃に転じたいメキシコは、しかし日本のプレスにしてやられる。ドリブルは止められパスは奪われ、まったく思い通りにならず、ファウルを繰り返す。遠藤のデュエルの強さには定評があるが、他の選手もひけを取らないインテンシティを見せ、メキシコはドツボにはまっているように見えた。

その傾向は68分のバスケス。の退場でさらに強まる。メキシコは直前に3回目の選手交代を済ませており、交代枠1は残っていたもののすでに交代することはできない状況だった。そうなると、メキシコとしては捨て身で来るしかない。そんな中で、負傷明けの三苫と上田を投入し、リハビリモードに入ってしまったのは森保監督の大きな過ちだった。サッカーでは、2-0から1点を返されるとながれが一気に傾いてしまう。この試合でもアルバラドのCKがゴールすると、メキシコがギアをトップに上げてきた。

何とか逃げ切って事なきを得たが、ドローになっていてもおかしくない展開。前田も含め、交代枠があまり攻撃を活性化できていないという事実を踏まえると、ここからの戦いにおいては大きな不安材料だ。中2日の連戦では、サブも含めた総合力が問われる。メキシコ戦では守り切るためのカードを用意していなかったように見えたが、今後は守備の交代にも注意が必要だ。富安の復帰がカギになるかもしれない。