シーズン2を先に見てしまったのだが、シーズンごとにまったく別の登場人物が関連のない捜査をしているので、特に問題はない。ベルギー、デンマーク、ドイツの3ヶ国が舞台だが、製作としてはスイス、オーストリア、スウェーデンを含む6ヶ国という国際性あふれる作品だ。
ただ、話が壮大すぎる上に登場人物も多いので、序盤は展開についていけなくなる。徐々に全容が見えてきてから、ようやく物語に入り込めるようになった。もう少しシンプルな構成にして主要人物の数を減らし、メインのプロットの比重を高めてくれた方が悩まずに済んだことだろう。
主演にはマッツ・ミケルセンの兄ラース・ミケルセン。名脇役的な使われ方の多い俳優だが、チームの中で目立ちすぎず、周りの女性陣を引き立てると言う意味では適任だったのだろう。地味なキャスティングの中で、独特の存在感を発揮していたことは間違いない。
ヨーロッパ各国で制度や警察組織が異なる中での連携の難しさを刑事個人の関係性で補う展開。女性の地位が高かったり、離婚が絡んで人間関係が複雑になったりというあたりは、いかにもヨーロッパ。これは特に、北欧やベネルクスのような国にありがちな設定でもある。個人主義という言葉に集約されそうだが、それで皆がハッピーなのかと言えば必ずしもそうではなさそうだ。