【フィギュアスケート】STARS ON ICE 2024

世界選手権が終わってオフに入ったフィギュア界は、しばらくアイスショーのシーズンが続く。この時期の日本は桜の花を楽しめるということもあって、期待して訪れる海外の選手も多いことだろう。インスタのストーリーズなどでは、選手たちの楽しそうな観光の様子を見かけることも多い。

りくりゅうが欠場したものの、日本からは宇野昌磨と坂本花織を筆頭に若手も顔を揃え、イリヤ・マリニン、イザボー・レヴィト、ルーナ・ヘンドリックスも来日。僕の一番の期待はマディソン・チョックとイヴァン・ベイツだったが、その期待に応えて白い布を使ったアーティスティックな演技を披露してくれた。

一方で、気になったのがゲスト出演したキーガン・メッシング。相変わらず表情豊かに、バックフリップを決めるなどアリーナを湧かせたのだが、ジャンプは2回とも跳び損ねてしまい、彼の持ち味である爆走感もあまり感じられなかった。すでに引退しているとはいえ、競技生活の延長としてショーに出演する以上は、やはり競技で使う技にはこだわりたいはず。ジャンプを失敗したキーガンの表情からも、不完全燃焼というような様子が窺えた。僕としては、まだキーガンの演技をショーで楽しみたい思いもあるのだが、この状況では来シーズンは難しいかもしれない。

大会でのSPを使用した選手も多かったようで、エキシビションのようなエンタメ色の強いプログラムが少なかったことは残念。そんな中で三浦佳央を従えてドライバーに扮した「Jazz Machine」で盛り上げた友野一希はさすがだった。整氷前の坂本との掛け合いでは、普段あまり感じない関西弁イントネーションがはっきり出ていて、素に近い表情を見せてくれた。

今回はスカパーのTBSチャンネルでの視聴だったが、ショーに実況と解説は不要ではないだろうか。相変わらず八木沼純子さんがジャンプの種類をコールしたりしていたが、プログラムが始まったら基本的には黙って欲しい。「友野の相方は三浦」というような有用な情報は、ぜひ伝えて欲しいとは思うのだが…