【世界フィギュア】ペアFS/男子シングルSP

オリンピックイヤーの翌年ということもあって、ペアの顔ぶれは大幅に変化している。そんな中で三浦璃来と木原龍一にとって唯一かつ最大のライバルは、クニエリム/フレイジャー組だった。SPを終えて6.08の差をつけているとはいえ、予断を許さない状況で迎えたフリー。先に滑ったクニエリム/フレイジャーの出来は決してよいものではなかったが、その後にリンクに登場した三浦と木原の表情が硬く、特に三浦は明らかにいつもの彼女ではなかった。

中盤からは徐々に緊張のほぐれた演技を見せてくれたものの、それでも全般的に動きは悪く、上向いていた中でのスロージャンプで三浦が引っかかるような感じで転倒してしまう。三浦は悔いが残ってしまったようで、演技終了からキス&クライまでずっと泣き顔だった。そしてポイントがコールされ、フリーの得点ではクニエリム/フレイジャーを上回れなかったものの、SPの貯金で4.68の差をつけて優勝を勝ち取ることができた。プログラムコンポーネンツではクニエリム/フレイジャーに勝っており、完成度を高めたからこその優勝だろう。それを狙うには最大のチャンスだった今大会で、その目標を射止めたのだから素晴らしいことだ。

男子シングルのSPでの宇野昌磨は、練習中に負傷したという情報がある中、完璧ではないものの無難にまとめる内容。4回転を軽々と決めたマリニンではあったが、こちらもプログラムコンポーネンツでは宇野が圧勝。客席を湧かせたチャ・ジュンファンやジェイソン・ブラウン、キーガン・メッシングらが続くという、なかなか豪華な展開になった。個人的にはキーガンとジェイソンにメダルをあげたいと思っているが、それは魅せる演技をしてくれるから。友野一希と山本草太の巻き返しも含め土曜日のフリーに期待しよう。