【フィギュアスケート】国別対抗戦2023 Day-1

世界選手権の後に「スターズオンアイス」出演していた宇野が、直前になって出場を辞退したため、佐藤駿が代役として登場。大会の位置づけからして欠場はわかるものの、この時点での判断が妥当だったのかという疑問は拭えない。佐藤は急遽の出場決定で準備が間に合わなかったのか、雰囲気にも飲まれて精彩を欠き、その分まで挽回しようとした友野もミスで得点を伸ばせなかった。

海外の選手たちも素晴らしい顔ぶれが揃ってはいるが、やはり世界選手権にピークを合わせた後の大会という位置づけなので、状態は分かれた。視点を変えると、これは同じ国の競技仲間と一緒に楽しむ体育祭のようなもので、それを純粋に楽しめた選手は結果を残したとも言えそうだ。その最たる例がケビン・エイモズ。緊張感が良い意味でほぐれ、自身も驚くようなパフォーマンスで100点超えを達成した。

チャ・ジュンファンも仲間が盛り上げる中、普段の大会では見られない満面の笑顔でのスケーティングで高得点を挙げる。イリヤ・マリニンは、ショーでチョック/ベイツら米国のチームメイトと長い時間を過ごした効果なのか、ジャンプ以外の要素に目覚ましい成長が見られた。ちょっとした身のこなし、手さばきなどの表現力が驚くほど向上したのは、羽生結弦のパフォーマンスを近くで見ていた効果もあったかもしれない。

日本選手の不振は残念だが、選手の違った表情や応援席の盛り上がりを見られるだけでも楽しみが増えた。エキシビションを含めてあと3日、国としての順位よりも、ひとりでも多くの選手が高次元のパフォーマンスを見せてくれることを願う。