【ドラマ】メイヤー・オブ・キングスタウン シーズン1

ホークアイ」のジェレミー・レナーの主演で、「ブラッドライン」のカイル・チャンドラーも出演するということで興味を持ったが、チャンドラーがいきなりエピソード1で死んでしまったのは衝撃だった。レナーは「ホークアイ」を含むマーベル作品よりも、自分らしさを発揮している様子が窺え、おそらくは本人もモチベーション高く演技に臨んでいるのではないかと感じた。

それにしても、チャンドラーとレナーにテイリー・ハンドリーを加えたマクラスキー三兄弟は雰囲気に共通項があって、実の兄弟であってもおかしくないと思えるほど。このキャスティングは見事としか言いようがない。

刑務所に依存した町でギャングや警察、刑務官らのバランサーとして機能する「市長」を中心に展開するが、起きる事件がリアルで恐ろしい。このドラマを見た後には、米国に渡航する気が失せてしまうほどに、社会の裏側の弱肉強食ぶりをこれでもかというくらいに描写している。もちろんフィクションらしい要素も多分に含んではいるのだが、実際にありそうだというリアル感の方が勝っている。

演技という視点では、マフィアやギャングの間で取引される娼婦アイリスを演じるエマ・レアードが素晴らしい。まだ出演作は多くないようだが、腰に埋め込まれたチップを摘出する際の苦痛に満ちた表情や、銃撃を受けて怯える様子など、リアリティがありすぎるほどに当事者の感覚が伝わってくる。