【映画】ウィンド・リバー

”Wind Riverは、ワイオミング州ネイティブアメリカン居留地で起きた暴行殺人事件を追うストーリーだが、MCUファンとしてはキャストが気になる。主演はホークアイジェレミー・レナーとワンダのエリザベス・オルセン。レナーはMCUでの脇役的な位置づけとは異なり、台詞や演技に存在感が十分。あの鋭い眼光は健在で、野生生物保護局のハンターという設定はいかにもだ。オルセンも、新人FBI捜査官の初々しさをうまく醸し出していて、ワンダの魔女的な印象とはかけ離れている。そして、パニッシャージョン・バーンサルも特徴的な役柄で登場する。

米国での人種差別といえば黒人やアジア系が最近の主流だが、伝統的には先住民差別も大きな要素のひとつ。閉鎖的に描かれることの多いネイティブアメリカンのコミュニティだが、日本人にはピンとこない部分だろう。アラスカ州ジュノーを訪れた際に、米国の地方都市の生活を感じたことがあるが、さらに小さな辺境の町ではコミュニティ内での結束はどうしても強くなるのだろう。

ドラマ「FBI Most Wanted」でもネイティブアメリカンを養子にとるなど共生する姿が描かれるが、養子をとることも先住民の問題同様、日本人の感覚ではなじみにくい。こういう形で異文化に触れることで、自分たちの生活や価値観を見つめなおす機会になるのは意味のあることなのだと思う。