【ドラマ】BODIES/ボディーズ

4つの時代に現れた同じ全裸死体から、時間軸を越えて繰り広げられる「やり直し」とループの物語。過去の誤った選択をやり直したいという思いは誰しも持つものだと思うが、現実には不可能だからこそフィクションの世界では頻出する。少し前にバズワードになった「マルチバース」も、ある意味その延長線上にあるものだが、そんなに簡単にやり直しなどできるわけがない。

RPGでリセットするような気分で時間を分岐にまで戻し、別ルートを辿り直す。そんな行為を現実にできるかのように捉えて、その危険性に気づかない状況は現実の問題になっている。「どうにかなる」とは行為者がそれをどう捉えるかの問題であって、影響を及ぼしてしまった他人にとっては取返しなどつくはずもない。その切り分けができないままに誤った選択を前向きに捉えられても、それは迷惑でしかない。

時代を超えて同一人物が登場し、その意味が徐々に明らかになるところに最大の面白さがあるのだが、そこに行きつくまでのハードルは高い。それぞれの時代の違いは、舞台となる街やファッション、髪型などの雰囲気でわかるようには作られているが、常に意識していないとどの時代の話かを見失う。切り取られた場面を見るだけでは、すぐに理解できないことも多かった。