【木下Gジャパンオープン】予選Day-1

冠スポンサーが楽天から木下グループに変わったが、まだつい「楽天」と呼んでしまうのは、その方が語呂がよいからかもしれない。土曜日は予選の1日目だが、まずは練習コートの見学からスタートするのが通例だ。まずは外周から遠巻きに見ようと歩いていると、後ろから西岡良仁を乗せたカートが追い越してゆく。別のカートにはシェルトンが乗っていたし、コートではデミノーやオジェ・アリアシム(画像)、ズベレフ、アルトマイヤー、綿貫陽介といった面々が体を動かしていた。シュワルツマンはコロシアムのショップをぶらぶら歩いていたが、何か気になる商品があったのだろうか。

さて、まずはセンターコート第1試合の清水悠太とジャック・ドレイパーの試合を途中から観戦。ドレイパーの強烈なショットに何度もラケットを弾かれていた清水だったが、オープンコートを作ってきれいな軌道のウィナーを決めて食らいつく。最終的には6-4 6-4で押し切られてしまったが、清水にとってはそれなりに収穫があったのではないだろうか。

続いては内山靖崇とブランドン・ナカシマ。昨年見たチョリッチとの対戦でのブランドンは、体格を生かしたダイナミックなフォームでたたみかけるテニスという印象だったが、勢いはそのままに少しコンパクトにモデルチェンジしたように見えた。内山はコロナ禍と負傷の影響でランキングを大きく落としてはいるが、トップ100に入る実力は十分備えている選手。このふたりは、なかなか見応えのある試合を見せてくれた。

持ち前のサーブが好調な内山がファーストセットをタイブレークで奪ったが、セカンドセットはブランドンが取り返す。ファイナルセットはブランドンにラリーの中でのミスが目立ち、内山が苦しみながらも勝ち抜いた。

そして本日の目玉、ダニエル太郎とジェイソン・ジュン。序盤はジュンの気迫と正確なプレーがハマり3度のブレークで先行するものの、その都度ダニエルが直後にブレークバックするという一進一退の展開でタイブレークにもつれ込む。ここで流れをつかんだジュンがセットアップとするも、もともと粘りが身上の太郎ちゃんが真価を発揮する。ジュンが体力もメンタルも息切れする一方で、ギアを徐々に上げたダニエルが完全に巻き返した。

サービング・フォー・ザ・マッチのゲームで3度のダブルフォルトを犯してブレークバックされてしまったものの、次のサービスゲームではしっかり切り替えていたところは、さすがにベテランであり地元日本の大会ということもあっただろう。

チャレンジシステムは東レPPOよりも格段にレスポンスが良くなっており、アリーナMCの選手や関係者へのリスペクトや会場の導線などと合わせて考えても、やはりこの大会の方が観戦のストレスは少ない。逆に言えば、東レPPOにはまだまだ改善の余地があるということだ。