【アジア大会女子サッカー決勝】日本―北朝鮮

2軍とか3軍とか言われていたメンバーではあったが、日本代表は決勝でも北朝鮮を圧倒して優勝を果たした。後半21分に大沢のゴールが決まってから、6分間で3点という一気の攻勢は爽快だった。特に、3点目となった谷川のコントロールされたシュートは圧巻。切り替えして相手をかわす前から相手GKのポジションとゴールまでの距離を想定していたに違いなく、迷いなく振り抜かれた左足から放たれたシュートはGKの頭上を襲った。あの技術と自信は、大きな力となるはずだ。

相手の寄せが早いこともあって、いわゆる「デュエル」となる場面が多くあったが、日本の選手たちは体の使い方が実にうまい。ボールに行く前に相手に体を当てたり、下がってボールを引き込んだりというテクニックを駆使することで、ボールロストを最小限に抑えていた。北朝鮮も気合い任せのパワーサッカーではなく、かなりレベルの高いプレーを見せてはいたが、日本の方が一枚上手だったと言ってよいだろう。

守備ではGK浅野のキャッチングとセービングの選択も良かったし、DF古賀のプレーも素晴らしかった。17歳の古賀塔子はJFAアカデミー福島の選手だが、173cmという体格を生かしたダイナミックなプレーを見せてくれた。唯一ケチをつけるとすれば、失点のシーンで今大会得点王のキム・ギョンヨンに着かずにゴール前に下がってしまった場面だろうか。この場面は寄せるべきであって、ゴールカバーを優先してしまったことは悔やまれる。