【東京ガス管弦楽団】ベートーヴェン交響曲第3番「英雄」

高校の室内楽部の先輩に声を掛けていただき、渋谷区文化総合センター大和田さくらホールで開催された東京ガス管弦楽団定期演奏会へ。ベートーヴェンのエグモント序曲と交響曲第3番「英雄」、そしてシューベルト交響曲第4番「悲劇的」という演目で、僕にとっては2019年のラ・フォル・ジュルネ以来、4年半ぶりの生オケ鑑賞となりました。

指定席はセカンドヴァイオリンのトップサイドで演奏する先輩のほぼ正面で、彼の表情も運指もボウイングもよく見え、このオケにおける存在感や技術の高さをはっきりと認識することができました。

エグモントはちょっと平板な印象で、「こんな感じなんだな」という思いで聴いていたのですが、シューベルトの第2楽章のメリハリの効いたダイナミズムで「おっ!」となり、「英雄」ではかなりの完成度で音に浸ることができました。その先輩に後でメッセンジャー経由で聞いた話では、アンケートの結果からもシューベルトの第2楽章は好評だったそうで、また「英雄」の出来には自負も強かったとのことでした。

管楽器は波がありましたが、どうしても個人の出来が目立ってしまうので、アマチュアオケではなかなか厳しい部分があります。指揮者の平石章人は、そのあたりを踏まえてか、管楽器奏者を称えていたところに配慮を感じました。

実は「英雄」は、僕が小学生の頃に初めて買ったクラシックのレコード。最初の和音から、第1主題への静かな展開と、ライナーノーツに記されたベートーヴェンのナポレオンに対する強い反感との対比に思いを馳せたものでした。