【サッカー】トルコ―日本

キリンチャレンジカップという冠の下、ゲンクでトルコと対戦した日本代表。ドイツ戦からメンバーを大幅に入れ替えていたので、「Bチーム」と捉えることもできる。しかし、この時期の代表は、チームとしての完成度よりも「また代表に呼んでもらう」ためのアピールの場という意味合いが大きいので、個人技を見せつけることはあってよい。その意味では収穫も大きく、見ていて面白いマッチになった。

スペースのない狭いエリアでも、巧妙に相手を剥がすことができていたが、相手DFが引いてゴール前を固めると、ポゼッションからのゴールは生まれにくい。これは国内リーグにも通じることだが、ポゼッションからビルドアップで相手を崩すことよりも、密集した状態のゴール前でシュートコースを見出すことの方が数段難しいのだ。この試合の3点目のようなカウンターは、やはり大きなチャンスとなる。ポゼッションサッカーとは、相手を前に引き出してゴール前にスペースを作るから意味があるのであって、じりじり持ち上がって守備を固めさせてしまっては元も子もない。

2点目を取られて浮足立った時間帯に遠藤航を投入した森保監督。ここは敢えて、若い選手に立て直させる選択もあったはず。今の時期の代表で、しかもドイツに大勝した直後であることを考えれば、そちらを選んで欲しかったという思いも強い。ゲンクでの試合ながら、古巣である伊東純也が先発を外れたのは残念だったが、ハーフタイムで登場すると、30分に持ち前のスピードを生かして相手CKから敵陣ペナルティエリアまで独走してPKを奪取し、しっかり4点目を決めた。トルコ移民の多いベルギーでトルコのサポーターも多かったが、地元のサッカーファンには「恩返し弾」になったことだろう。