【女子U17WC】決勝・北朝鮮戦

前半は相手が引いて守る中、それなりに崩すことができていたが、フィニッシュのパワーが欠けていてゴールを奪えない展開。後半に入ると北朝鮮もギアを入れ替えた感はあったが、基本的なつなぎは明らかにリトルなでしこの方が上だった。結果としてPK戦での準優勝となってしまったが、これはベンチワークというか戦術の問題と言えるだろう。

攻めても点が取れない展開で、選手は攻め疲れていた。言い方を変えると、ペナルティエリア内でボールを持っても、パスにしろ仕掛けるにしろ「うまくいかなそうな予感」に苛まれてしまったのだと思う。その結果、持ち過ぎてしまい、相手のディフェンスに引っ掛かってしまった。これはポゼッションサッカーの宿命ともいえるもので、事前に想定しておくことができたはずだ。

そしてもう一つの問題は、セットプレーでの工夫の乏しさだ。ゴール正面に飛び込んできてヘッドで合わせる狙いしかなく、ファーで折り返すとか落として蹴り込むという想定にはなっていなかった。そして、ニアで合わせたりすらせたりする意識も欠けていたように思う。これでは粗さの見えた相手GKにとっても守りやすいだろうし、ゴール前で相手のミスを誘うことにもつながらない。

前回大会では優勝しているが、その前回も含めなかなかこの世代からなでしこへの引き上げができていない。今回なら長野、植木、そして前回代表の北川、長谷川あたりがなでしこJAPANとして活躍することで、世代交代を促進してゆく必要がある。