【甲子園決勝】仙台育英―慶應

塾高が甲子園に出場することは知っていたが、「1つ勝てば」くらいの感覚でニュースを追っていると、驚いたことに決勝にまで進出してしまう。大学から慶應に入った者にとって内部進学者は何となく異質な感じがするので、塾高を積極的に応援しようというモチベーションは特に湧かないのだが、スタンドから聞こえる「ダッシュケイオー」や「若き血」からは神宮球場慶早戦を思い出してしまうので、負けて欲しくないという思いは強くなる。

先頭打者ホームランで先制し、5回表をビッグイニングにしたところでエース小宅を登板させるなど、運もあるが流れを作ることに長けていた印象がある。それは決勝に至る戦いでも、「代打清原」でスタンドを盛り上げたりする形で機能させている。それだけの資産をもっていたということでもあるが、「好機を逃さない」ことが勝利には必要であることをあらためて認識させられた塾高の優勝だった。

終盤には代走が牽制で刺されるような残念な場面もあったのだが、すでに大勢は決していたので影響はなかった。2~3回のピンチであと1点を失っていたらどうなっていたかわからない微妙な展開だったが、終わってみれば8-2という結果になったことも勝負強さの表出だろう。守備時の応援が批判されているようだが、優勝が迫った場面で「1球ごとに歓声を上げる」ことは責められるものではないと思う。おめでとう塾高