【WTAファイナルズ】ガルシア―サバレンカ

フォートワースで開催されたWTAファイナルズの決勝は、お互いが激しく攻め合う試合となった。サバレンカが一打ごとに大声を出しながら勢いをつける一方、ガルシアは静かに闘志をみなぎらせる。「一歩も譲らぬ」という表現しかない状態でファーストセットはタイブレークにもつれ込んだが、ここでは意外にあっさりとガルシアがポイントを重ねてセットを奪う。そしてその勢いのまま臨んだセカンドセット最初のリターンゲームをブレークしたガルシアが、そのリードを守り切る形となった。

オープンスペースを巧みに作り出しては鋭いショットでそこを突くサバレンカに対し、ガルシアも守ることなく一歩でも二歩でも前に出て返す。序盤はサーブも有効だったガルシアがセカンドセットではなかなかポイントにつながらなくなった印象だったが、最後の最後、大事な場面でウイナーを叩き込んで心理的にも優位に立てたように見えた。サバレンカはミスも多く、波のあるプレーで一人相撲をとってしまった。

以前から応援しているガルシアが頂点に立って、僕もとてもうれしく思っている。今はまず、優勝を決めてはじけんばかりの笑顔を見せてくれた「カロ」を祝いたい。いつもは「男前」な印象を残す彼女ではあるが、キュートな表情で興奮気味な早口のスピーチを聞かせてくれた。インスタに上げていたストーリーズの、紙吹雪が舞う中でのうれしそうな笑顔が忘れられない。