【島津全日本室内テニス】加藤未唯―ユリコ・ミヤザキ

島津全日本室内テニス選手権の女子決勝は、日本国籍ながら英国所属としてプレーするミヤザキと地元京都出身の加藤が対戦した。ファーストセット序盤は加藤がリードし、終盤に追い上げられながらも振り切って先取。しかし、このミヤザキに傾いた流れは止められず、セカンドセットはかなり一方的な内容でミヤザキが奪い返す。加藤は予選から7試合を戦っているということもあってか、疲労の窺える表情。スポーツライターの内田暁が「日本屈指のオトコマエテニス女子対決」と評した土居美咲との対戦を勝ち抜けた勢いは感じなかったが、慶應チャレンジャーも似たような流れから決勝で敗れているので、加藤には鬼門なのかもしれない。

ファイナルセットは緊迫した展開から加藤が先にブレークし、最後はミヤザキのダブルフォルトで加藤の優勝が決まった。その直前の、若干振り遅れ気味のリターンがサイドラインぎりぎりに落ちたところが勝負の綾だったようにも感じた。加藤は随所に良いサーブを決めながら、トスアップが乱れる場面が目についたが、内田暁の「日本人でも、トスをやり直す時などに"すみません"ではなく"sorry"と言ってる選手は国際基準感」というツイートに加藤が「明日はsorryにします」とリプライしていたことが無意識に影響した可能性もあるかもしれない。

表彰式の段取りが悪く、加藤のスピーチが遮られてしまったりもしたが、敗れたミヤザキの声を聞きたかったところ。選手を称える場というよりは、スポンサーと協会目線になってしまっていたところは大いに改善の余地がある。トロフィーの数よりも、選手本位の大会運営に期待したいものだ。