【ドラマ】シタデル

CIAでもIM6でもモサドでもない諜報機関「CITADEL」は、ありえないほどに派手なアクションシーンがリアリティをまったく感じさせないところが特徴で、だからこそ没入するしかないという作りになっている。列車の車内で激しい銃撃戦を繰り広げたあげく、爆破されて後ろ半分が谷底に転落するシーンは見応えこそあるが、現実に起きる可能性は万にひとつもないだろう。そこで白けてしまうと、この物語を見続けるのは厳しくなってしまうのだ。

全6エピソードは、序章的な位置づけで割とあっさり終わってしまい、次のシーズンにつなげようとする煽りが目につく。予算をかなり掛けているようなので、回収するにはかなりの広告宣伝が必要なのだろう。予告の部分を見る限り、謎を解明するというよりは、さらに広げる展開になりそう。主要キャラクターも増やして、さらに話を盛り上げつつ、派手な展開に持ち込もうという魂胆のようだ。これでは、外した場合には悲惨の終焉を迎えそうな、嫌な予感がする。

主演は、「ゲーム・オブ・スローンズ」でロブ・スタークを演じたリチャード・マッデンと「クワンティコ」のアレックス・パリッシュ役だったブリヤンカー・チョーブラー。マッデンは相変わらず真面目でちょっと抜けた感じの雰囲気だが、チョーブラーは年齢を重ねたせいかすっかりキャラクターが変わっている。かつては未熟なFBI捜査官だったが、本作では余裕と貫禄を感じさせるスパイに変貌している。ただ、実年齢は「クワンティコ」撮影時も30代中盤だったはずなので、「アジア系は若く見える」ことをうまく使われた演出だったというだけなのかもしれない。