【大分―栃木】個に依存しない3連勝

第3節を終わって勝ち点9は大分のみという、完璧な立ち上がりとなった。守備では安藤が肉離れ、デルランを体調不良で欠くという危機的な状況のはずが、上夷と香川で何の問題もなく埋めてしまった。上夷は前線へのフィードでも視野の広さと判断の的確さを見せていたし、香川もデルランばりに縦に入れるプレーがあった。前節でも書いたことだが、これを昨季にできなかった理由は、昨季ほどポゼッションにこだわらず、早いタイミングで前に長めのボールを入れることでDFの負担が減っているということだと思う。

攻撃面でも、今日は高畑の直接FKによるゴールだったが、野村、宇津元、藤本と取るべき選手が取った。それは同時に、誰かひとりに依存しているサッカーではないということでもある。先発した1トップが得点に絡めないのは課題でもあり、個人的には大いに不満の残る部分なのだが、下平監督の戦術としては問題ないのだろう。それはそれで、敬意を示したい。

ただ、前線の選手にハイプレスという任務を課しているがために、ボールを奪った後にシュートの位置が低く、選択肢が限られてしまうことは気になる。時間帯によっては野嶽と弓場にペレイラまでが絡んで波状攻撃を見せていたが、あれをもっと早い時間からできないことが、展開を難しくしているのではないだろうか。下平監督のハーフタイムコメントにあった「工夫」こそが、そのためのキーワードだろう。