【大分―東京V】選手かシステムか

故障者が続出していた大分にとって、選手の復帰は歓迎すべきところ。しかし、復帰してきた選手を含めてベストの11人を選んでしまうと、うまくいっていたシステムがハマらなくなってしまう。今日のゲームを見ても、高畑は交代早々からチャンスを作り出すことができていたが、それによって右に回った藤本は機能しなくなっていた。上夷も左に回った後はやりにくそうで、まぜ三竿を下げたのか理解に苦しむくらいだった。藤本は2シャドーの左という手もあったが、すでに小林成豪を入れてしまっており。ここでも選手被りが発生していた。

2度のビハインドを追いついたことは評価できるが、そもそも守備は破綻寸前。ペレイラが戻ってきたことで、坂にこだわる必要もないだろう。また、2点は取ったものの、ビルドアップはあまりうまく行っていない。特に下田からの縦への攻撃がほとんど見られず、弓場と保田のダイナミックな展開に比べて見劣りがしてしまう。エドゥアルド・ネットの投入後も、早いさばきができずに持ちすぎてしまう場面が目立ち、前線との連携不足を感じさせた。

大分にとっては、中止になった28節の水戸戦がいつになるのかは、結構大きな問題だ。1試合消化が少ない中での8位で、6位までは勝ち点3差。そして次節は、その間にいる7位町田との対戦だ。そんな中で水戸戦は、どの週に入ってもミッドウィークになることは間違いない。選手の起用も難しくなる上に、選手を優先するかシステムを優先するかで下平監督は頭を悩ませることになるだろう。