【大分―東京V】戦術への自信

センターバックに安藤が不在のところ、上夷が入って問題なく無失点に抑えたことでもわかるように、チーム戦術が浸透して選手は自信を持っているように見える。藤本が下がった後を高畑が、伊佐の後を宇津元がしっかりと、しかし別のスパイスを効かせてゲームをクローズする。今の大分トリニータは誰が出てもパフォーマンスは落ちないだろうし、かなりのレベルのサッカーが続けられるだろう。

今日が初出場の町田もスムーズにゲームに入っていたし、サムエルや長沢、テイシェイラのように実力はありながらメンバーに入っていない選手もいる。コンディションが整わないのではなく、中途半端なコンディションでは試合に出られないということだ。今季以上の戦力が揃っていた昨季にこれができなかったのは、チーム構成の失敗と序盤のボタンの掛け違いがすべてだったように思う。下平監督が志した4バックに合った戦力ではなく、結局3バックで上昇したものの間に合わなかったのだが、コロナ禍も影響したのだろう。

いずれにしても、今季の大分は強い。ポゼッションにこだわってスペースをなくしてしまうようなこともなく、早い時点で縦にパスを入れ、そこからの連携も悪くない。次節の栃木相手に気を緩めずに、その後の清水戦に向けてさらに高めていってもらいたい。今節も、もっと点を取れる場面はあった。レゾドに集めた1万5千人を満足させることはできたはずだが、それはあくまで通過点だ。