【大分―千葉】連携の安定

大分トリニータは千葉に勝って、4勝1分で町田に続いて2位というポジションにつける。昨季に比べると戦力はダウンしているように見えるものの、チームとしての戦術が徹底されていて、連携が安定して自信を持ってプレーできていることが結果につながっているように思われる。初先発の高畑が2ゴールを決めてしまうあたりは出来過ぎではあるが、下平采配が当を得ていることの証なのかもしれない。

今節についていえば、千葉のミスにも助けられた。試合前のインタビューで小林監督は「前へ」ということを強調していたのだが、実際にゲームが始まってみるとボールを失わないことが重視されていたのではないか。片野坂監督時代の大分のように、ボールを持っても前を向かずにパスを回してしまい、パスミスからターンオーバーを食らう。大分にしてみれば、自分たちがやってはいけないプレーを相手にさせたということで、今後に向けてもこうならないことを戒めとして持てる機会になったはずだ。

野嶽と弓場のインサイドハーフは攻守に効いているが、保田もU20代表から復帰しているので、万全な状況だ。池田廉が離脱したことは痛いはずだが、そんな脅威を機会に変えられるのはチームとしての力であると言い切れるだろう。一方FWでは、伊佐をプレス役に使ってサムエルをクロージングに使っている現状はもったいないし、本人たちもやりがいを感じないことが懸念される。今節は先行する展開だったのでやむを得ないかもしれないが、サムエルにはもっと自由にプレーできる時間帯を作ってあげたい。