大分にしてみれば、町田の堅い守備は想定していたはず。だからこそ、藤本と茂に相手のサイドの守備を封じ込めさせるために高い位置を取らせる選択をしたのだと思う。正直なところ、DAZNで見ている限りでそのあたりは明確にはわからなかったのだが、いろいろな情報を組み合わせると、そういうことなのではないかという類推ができる。その結果、3バック＋西川のラインでビルドアップができずに押し込まれてしまう。
相手のハイプレスが決まったときになす術がなくなってしまうのは大分の定番だが、スケジュールの綾で選択が悩ましかったことも事実だ。好調なチームは変えないのが、今季の下平監督のスタンス。これはターンオーバーを繰り返してチームの形を作れなかった、昨季前半の反省だろう。しかし、今週はミッドウィークにも試合があり、その山口戦はホームだったので戦力を落としたくない。そして連戦の最終戦となった町田戦は、首位争いをしている相手との重要なカードということで、ここもまた同じメンバーを先発で起用した。その気持ちと狙いは十分理解できる。その上でのこの結果なので、これはもう何を言っても仕方ないだろう。
今季の課題はハイプレスで押し込まれた際の対応だが、西川のキック精度と上夷の予測力も同じくらい大きなポイントだ。西川や上夷のキックで前線に送ることは、今節の戦術の要だったはず。そして上夷が「かぶって」しまってゴール前にボールがこぼれる場面もあったが、これは前節の連携ミスと同様に「行き過ぎた」結果なのだ。安藤の出来が良かっただけに、負けたチームを変えるタイミングではあるだろう。そして、GKについても、そろそろ高木駿の出番なのかもしれないし、テイシェイラの動向も気になっている。
