【プラハOP】ノスコワ―日比野菜緒

ラッキールーザーから本戦出場を果たし、2回戦では第2シードのクレイチコバを下してベスト8に進出した日比野菜緒が、地元チェコの17歳ノスコワと準々決勝で対戦した。地元選手を応援する拍手が響く中、序盤からノスコワはパワフルなショットが全開。特にサーブで日比野を圧倒した。日比野も決して悪い組み立てではなかったのだが、サーブで優位に立たれてしまい、強いショットをリターンできずにネットに掛けるシーンも多かった。日比野は表情も冴えず、腰のあたりを気にする仕草も見せており、不安を感じさせる展開となった。

セットダウンで迎えたセカンドセットでは、競り合いながらもブレークポイントが奪えない。メディカルタイムアウトを要求して、トレーナーに腰を確認してもらった日比野の動きは明らかに悪くなっていた。そして、1ブレークダウンで迎えたサービスゲームで、トスアップしたボールを軌道の頂点で打つことができないことが続いてダブルフォルト。次のサーブはアンダーサーブを試みてポイントを奪うが、同じプレーを続けて返されてしまうと、一瞬迷いながらも持っていたボールをネットに投げ、リタイアの意志を示した。

今シーズンの日比野は、途中でツアーに参戦し続けるかどうか悩んでいたようで、結局気持ちの整理をした上でツアーに復帰していたが、現役引退も検討していたらしい。今大会では加藤未唯もダブルスでベスト4に残っており、活躍を期待していただけに残念ではあるが、悩んでいたくらいだからストレスもあったはず。心と体をメンテナンスして、またコートに帰ってきて欲しい。あの輝く笑顔を、また見たい。