【ローランギャロス】ガウフ/ペグラ―ガルシア/ムラデノビッチ

ダブルスは「流れ」が試合を左右する。ローランギャロスの女子ダブルス決勝は、まさにそのことを時間する試合となった。立ち上がりはガルシアの動きが硬く、前衛での動きができずポーチに出られない状態が続く。ムラデノビッチもガルシアの不調を補い程ではなく、ファーストセットをあっさり失った。ペグラも決してよい出来ではなかったが、ガウフが獅子奮迅の働きでコートを支配していた。

これで切羽詰まったからか、セカンドセットに入って流れが変わり、一気に4ゲームをガルシアとムラデノビッチが獲得する。ガルシアの動きが冴えはじめ、振りきれたかのように思い切ったショットが見られるようになった。ブレークバックを許して流れを再び手放したかと思いきや、なんとか押し切ってセットオール。そしてファイナルセットも、セカンドセット同様に4ゲームをフランスペアが先取する。このあたりから、ガウフの表情は明らかに曇りがちになり、自信を失っている印象だった。

最後はガルシアが思い切り叩きつけてポイントを奪い、2-6 6-3 6-2の逆転でガルシアとムラデノビッチが6年ぶりにローランギャロスのタイトルを手にした。このふたりが組んでダブルスに出場するのは久しぶりなので、フランステニス協会がくれたワイルドカードによる出場だった。スタンドは完全にホームの雰囲気で、「カロ!」「キキ!」というコールが何度も聞こえていた。フランス人選手の活躍が見られず、ツォンガの引退にシモンも続きそうな状況という中、明るいニュースがフランスにもたらされたことは朗報だった。