【Citiオープン】西岡良仁―ハチャノフ

ワシントンDCでの西岡良仁は、まるで別人のようだ。初戦でブルックスビー、2回戦でデミノーと前週アトランタオープンでの決勝進出者2人を撃破して、3回戦では好調のハチャノフと対戦したが、ここでも一歩も引かない見事な打ち合いを演じた。動きが良く、ネットプレーやドロップボレーを巧みに織り交ぜながらハチャノフのミスを引き出し、自らコースを変えるなど積極的な戦いぶりでファーストセットのタイブレークを奪う。

セカンドセットではハチャノフが先にブレークするも、第7ゲームをラブゲームでブレークバックして追いつき、またしてもタイブレークにもつれ込んだ。セット中盤から、目に見えてハチャノフの動きが鈍くなり、サーブも乱れる。表情からは、暑さの影響かもしれないと思われた。ダブルフォルトもあって流れを手放したハチャノフに対し、西岡はスタンドを味方につけて何とか振り切った。

3人の難敵を相次いで退けた西岡だが、準々決勝での相手はエヴァンズ。決して苦手な相手ではないだけに、かえって慢心が心配だ。自分の思い通りにならないと子供のように駄々をこねることが多い西岡だが、今大会は比較的メンタルコントロールもうまくいっているうようなので、余計なことは考えずに目の前の相手を倒すことに集中すれば勝利は見えてくる。