【全豪オープン】シグムント―ガルシア

オーストラリアン・オープン8日目は盛りだくさんな内容。マレーとバウティスタ・アグートの試合もドラマティックだったし、青山修子と柴原瑛菜の女子ダブルスや柴原とクールホフのミックスでは、柴原の主にサーブでの不調が気になった。さらには地元のリンキー・ヒジカタとキュブラーが、グラスプールとヘリオバーラに競り勝つという大熱戦もあったし、こちらも地元のサヴィルとボルトがパビッチとメクティッチを相手にジャイアントキリングを見せた。

そんな中で、僕が一番興奮したのがシグムントとガルシアの試合だった。ファーストセットを見る限り、ガルシアの表情もプレーも冴えず、このままシグムントが押し切ってしまうようにしか思えなかった。しかし、セカンドセットでガルシアが切り替えに成功。攻めるポイントで外れていたショットが決まり始めると、明らかに表情もプレーの質も上がっていった。何が違うのか、何を変えたのかは明確にはわからなかったが、スイッチが切り替わったことはガルシアの表情から見て取れた。

セットオールで迎えたファイナルセットはブレーク合戦で始まる激しい展開。ポイントごとにKIAアリーナのスタンドも盛り上がる。スタンドではガルシアを応援するチャントが鳴り響き、ファーストサービスとセカンドサービスの間にもそれが繰り返されるので、チェアアンパイアが神経質なほどに注意していた。その流れからガルシアが5-3とリードしてマッチポイントを握り、シグムントがセーブした場面でまさかのタイムバイオレーション。この場面でよくコールしたなと思いつつも、確かにシグムントのサービスは時間がかかっていたので、個人的には致し方ないと思える。

ポイントを奪って激しいボディアクションで自身と観客を盛り立てるシグムントも、ついに力尽きて1-6 6-3 6-3でガルシアが勝利を収めた。ガルシアの4回戦はリネッテなので、こちらも熱い戦いになることだろう。