10話で完結したかち思っていたサンドマンのシーズン1だったが、10話の一気配信から2週間経って突然11話目が「新着エピソード」として公開された。しかも、前半はアニメで、公判が実写というこれまでとは異なる流れでもあり、この11話の位置づけは明らかではない。アニメに登場するネコたちと実写に登場するギリシア神話のカリオペーは、人間に都合よく利用されているものということなのかもしれない。
アニメはネコの表情がとてもリアルなので、ネコ好きの僕にとってはとても親近感が湧く。そして実写は、自らも囚われの身だったモルフェウスが軟禁されている元妻のカリオペーを助ける展開だが、カリオペーの無表情な透明感が神話の神らしくて妙に魅力的だ。このあたりのキャスティングや演出は、さすがとしか言い様がない。ネコの声をサンドラ・オーが担当しているところも、贅沢な使い方だ。
サンドマンのシーズン1は、これで本当に完結したのか。あるいは、単発的にこの後も続くのだろうか。砂のように崩れてしまうサンドマンの実態を表すかのような展開の謎は興味を惹かれる一方で、おさまりの悪さも感じる。この先に期待してよいかどうかわからない状態は、ちょっと微妙なのだ。
