【Disney+】ファルコン&ウィンター・ソルジャー エピソード6

全6話と短めの構成だったので、あっという間に完結してしまった「ファルコン&ウィンターソルジャー」。この余韻の残し方は、次のシーズンがあることをうかがわせる上に、いろいろと大胆な展開が秘められていることも予感させる。キャプテン・アメリカの称号は行方がはっきりしたが、それによってあぶれたキャラクターはどこに行くのか。ジモの動向も気になるが、何よりもシャロン・カーターのダークさが気になる。

最終話を見終えて、この作品を映画にしなかった理由がわかった気がした。ここまでのストーリーでも人種差別の問題は大きく取り上げられていたが、最終話では「価値観が対立する中では、自分にとっての正義は相手にとって侵害でしかない」というこちが色濃く打ち出される。ファルコンの長いセリフに籠められた制作者の思いは、映画では過剰に見えてしまうだろう。ドラマであれば1話ごとにテーマをずらすことができるが、映画では山場に来るトピックにどうしても目が行く。映画としてはあの山場では重すぎて、大衆受けはしにくいし、マーベルやアベンジャーズのファンでも賛否が分かれそうな気がする。

いずれにしても、まだ続編制作は発表されていない。エミー賞への登録が、「ワンダヴィジョン」がミニシリーズである一方で本作はドラマ部門だということが、今のところ唯一の手掛かりのようだ。ファルコンとバッキーに縛られると展開が窮屈になるが、キーワードとして最終話に出てきた「エージェント・カーター」ならかなり膨らませることができそうだ。この方向性が日の目を見ることを、密かに期待しておこう。