【ルヴァン杯】G大阪―大分

当初から書いているように、カップ戦に結果を求めてもいないし、貴重な戦力を浪費して欲しくもない。しかし、わかったことがあるので、それらはリーグ戦につながる重要な情報になる。その意味では、この0-2での敗戦は決して無駄になるものではないだろう。

まず、選手のポジショニング。以前にも指摘したが、中川は動き過ぎている。象徴的だったのは62分の場面で、結果的に中川がゴール正面中央のやや遠目からシュートを放ってGKに弾かれるのだが、屋敷がその右側を並走しており、FWの彼が取れるポジションをつぶしていたように見えた。中川ではなく屋敷のシュートだったら、可能性はより高まっていたはずなのだ。吉田の出過ぎも気になる。高木も西川も同様なので、これはもうチーム戦術であることは確実なのだが、上背もあまりな面々なのでループで頭上を抜かれるリスクにはしっかり対処してもらいたい。また、井上は対戦相手が準備して臨んでくるので、スピード勝負だけでは厳しそうだ。

朗報もある。エドゥアルド・ネットのフィット感は間違いなく上がっている。前回の出場では、自分に出されたパスを「ここはオレじゃない」とばかりにすぐパサーに戻す場面が目についたが、今節ではそれが減っていた。おそらくは、お互いの意図がかみあってきているのだろうし、それは主に中川との信頼関係によると感じた。サムエルもようやく、見せ場となる局面を作った。ポストプレーで受けて落とすというもので、独善的なブラジル人なのではないかという懸念は、これで一掃された。あとはリーグ戦の舞台で結果を出してくれることを、心待ちにしている。