【ドラマ】ジ・アメリカンズ Season-1

僕にとっては、どこかの番組で見た俳優たちが学芸会のように登場する作品で、妙に親しみが沸く。主人公のフィリップは「ワインショー」でマシュー・グードにいじられていたマシュー・リースで、FBI捜査官は「スペース・フォース」の空軍長官役であるノア・エメリッヒ。「ラストシップ」でリオスを演じたマキシミリアーノ・ヘルナンデスや「シカゴPD」でバージェス役のマリーナ・スコーシアーティ、「スノーピアサー」の接客係ルース役のアリソン・ライトといった濃い面々も出演している。それだけで、十分に楽しくなってしまった。

冷戦期のスパイを扱った作品なので、時代を感じさせるシーンも多く、この年代にこんな車が米国で街を走り、こんな曲をかけてこんな風に踊っていたのかというような気づきもあった。公衆電話などを使って数字の暗号を送るソ連のスパイというのも、今となっては信じられないくらいローテクな印象しかない。それでも、そういう時代だったということなのだろう。

特に見ごたえがあるのは、変装シーン。カツラを使った変装は、ある意味見事ではあるが、同時に少しだけ笑いを抑えながら見る必要があった。二重スパイに惚れて寝るFBI捜査官と変装シーンは、この作品を見る上でのポイントかもしれない。シリアスなのだが、どこか抜けている感じが、作品全体を包む空気感なのだ。