【Netflix】THE GUILTY/ギルティ

デンマーク映画を、アントワン・フークア監督が舞台をLAに置き換えてリメイクした本作。原作のデンマーク版を先日視聴し、その話をThe LATTE Tokyoでしたところ「リメイクがもうすぐ配信されますよ」と教えてもらって楽しみにしていた。基本的には原作に忠実に作られているのだが、ちょっとした見せ方と脇役の絡ませ方を変えるだけでここまで印象が変わるのかと、正直驚かされる仕上がりになっていた。

音声だけで展開する「誘拐事件」に行方にフォーカスを当てていた原作に対し、リメイクでは主人公ジョーのバックグラウンドも含めた心理描写を描いている。それだけに、主演のジェイク・ギレンホールの表情や口調に表される心の動きの演技の素晴らしさが光る。原作のヤコブ・セーダーグレンの地味な演技にも味があったが、米国が舞台となればジェイクのようなわかりやすい演技が求められるのだろう。そんな中での、ジョー自身の裁判や元妻との確執、そしてそれらが作用した状態での緊急通報の対応もわかりやすく描かれ、その結果としてタイトルの「ギルティ」の持つ意味が明確に見る者に伝えられる。原作では弱かったこの部分がクリアになったこちが、リメイクの最大の貢献だ。

これは監督の力量とか予算の差とみrこともできるだろうが、やはり原作をベースに「カイゼン」を加えることが可能なリメイクならではということなのだと思う。最初に作るのは容易ではない。何らかのお手本があれば、そこから引き上げることはやりやすいし、それが良いお手本であればなおさらだと感じる。