【北欧ドラマ】ダークネス:ゾーズ・フー・キル

デンマークのドラマはキャストが地味ながら演技は秀逸で、シナリオやカメラワークにもこだわりと深みがあって飽きずに楽しめる。本作も、米国でリメイクされたものをさらにデンマークでリブートしたとのこと。「フォロー・ザ・マネー」では狡猾な弁護士を演じていたナタリー・マドゥエーニョが、本作では心理学者の役をより自然体な演技で演じており、個性がうまく引き出されている。相棒のケネス・クリステンセンはやや固い演技ではあるが、北欧男子っぽい雰囲気は感じられる。

連続殺人事件を追うストーリーだが、デンマーク警察は他の多くのドラマでもそうであるように、官僚的でやる気がないように描かれる。どうも法律上も、そう簡単には起訴できない仕組みになっているようで、米国ドラマを見慣れていると展開の遅さにじれてしまうのだが、逆に言うとそのあたりがじっくり描かれるので見応えがあると捉えてもよいだろう。

ナタリー演じる心理学者ルイーセは、かつて警察でプロファイリングを担当していたものの退職して英国に渡ったという設定。今回は、この事件限定ということで警察を手伝ったことになっているが、このシリーズには続編があって来月WOWOWオンデマンドで配信されるので、そこでルイーセがどのように位置づけられるのかにも興味が惹かれる。デンマークを代表する女優といえそうなので、未見の「ザ・レイン」にも手を出してみようかと思っている。