【浦和―大分】戦術の課題は監督に

見応え十分の好ゲームだったが、大分にとっては勝ち点を逃したことが何とも悔やまれる。せっかくの町田の2ゴールを無駄にしてしまったが、このように珍しい選手が結果を残すとそれを帳消しにしてしまうのは大分の伝統芸だ。浦和のゴールをどれも防ぐのは難しかったと思うし、攻撃に関してもこの戦力でできることはやってくれたと思う。それでも勝ち切れないのは、戦術の問題と考えてよいのではないか。

守備重視のサイド起用ながら早々に失点してしまい、リードした時点でDF刀根を投入して攻撃のカードを使えない状況にした。確かに小出はイエローをもらっていたので道理はあるのだが、終盤に藤本を入れられたら展開は違ったかもしれない。結局、スタメンの11人とベンチの7人は監督の人選であり、交代策も監督の采配なのだ。せっかく合流した外国人選手をベンチにも入れないのは、戦術というよりも自分のスタイルに染めないと気がすまない監督の独り善がりでしかない。個の力を頼らなければならない場面も、必ず訪れるのだ。

ペレイラはまだしも、エンリケトレヴィザンを早く使って欲しいし、クロージングにならない刀根の投入はもう見たくない。ルヴァンカップの神戸戦はどうでもよいが、次節のエスパルス戦が大きな意味を持つだろう。田中達也に続いて後藤に決められるようでは、もう先が見えなくなってくる。