【コミック】Blue Giant Supreme (11)

ついにヨーロッパ編も完結してしまったBlue Giantシリーズは、日本編からの移行と同様に次の米国編の第1巻と同時発売となった。次につなげるという意味ではよい営業戦術だとは思うが、その分最終巻の発売が遅くなるので待たされるのはあまり良い気持ちではない。まあ、10巻まで読んだ読者が離脱する可能性は低いだろうから、営業面としては正しいのだろう。

ジャズフェスでの演奏場面がクライマックスで、音を絵で表現するしかないマンガというメディアにとっては大きな制約だ。しかし、これまでと同様、音がないのにメロディやリズムや熱気が感じられる作画とコマ割りで、まったくハンデを感じさせない仕上がりとなっている。音符が、いや音符と音符の間の間合いさえ、紙面に表現されているかのような印象で、長く音楽をやってきた者にとっては非常に強く実感が持てる。

"D"こと宮本大は、演奏面だけではなくリーダーシップや人間性においても成長してゆく様子が描かれていて、その変化は実に自然で納得感がある。ここからさらなる成長を目指して"NUMBER FIVE"を離れる彼が、どのような飛躍を遂げるかが楽しみだ。これまでのい単行本でティザー広告のように小出しにされてきた「未来の関係者のインタビュー」は、どのようにオーバーラップするのだろうか。