【ドラマ】ビカミング・ア・ゴッド

アマゾンプライムスターチャンネルで今日まで配信されている「ビカミング・ア・ゴッド(原題:On Becoming a God in Central Florida)」はマルチレベルマーケティング業界を扱ったドラマで、製作にはジョージ・クルーニーが名を連ねている。いわゆる「マルチ商法」は虚偽や誇大広告が含まれているために問題があるが、マルチレベルマーケティングは営業を業務委託にして「ディストリビューター」と呼んでいるに等しく、まっとうなビジネスにもなりえるものだ。僕は自分がディストリビューターになったことはないが、この業界の事情もそれなりに理解しているので、特にそう思う。

さて、このドラマはキルスティン・ダンスト演じる主人公の夫が過重労働から自損事故を起こし、フロリダの湿原でワニに食い殺されてしまうところから物語が始まる。結果的には、このエピソードが最大のヤマになるので、エピソードを追って見ていると尻すぼみ感を禁じ得ない。ただ、このビジネスのエグゼクティブ会員でキルスティンの恋人にもなるテオドール・ベルランの過剰な演技がおかしくて、それだけでも見続けるモチベーションは掻き立てられる。

マルチレベルマーケティングの構造やリクルーティングの仕組みなど、かなりリアルに描いているので、この業界に馴染みのない人は興味を持つかもしれない。ジョージ・クルーニーが製作に加わっていたのは、何かマルチレベルマーケティングに恨みでもあるのかと思わず勘ぐってみたくなる。