【Netflix】オールド・ガード

Netflixで今週末から配信が始まった「The Old Guard」を見たが、設定が複雑で壮大なストーリーを予感させるだけに、125分でまとめるには限界があった。恐らくはシリーズ化されて徐々に全容が明らかになってゆくだろうから、本作はそのイントロダクションだと考えるべきかもしれない。死ぬに死ねない種族ながら「時が来れば」死が訪れるという設定は物語を描きやすいし、監督や脚本にとっては使い勝手がよいだろう。

主演はシャーリーズ・セロンだが、個人的にはあまり好きではない。アクションシーンでは、銃だけで済みそうな状況なのに無理やり剣や接近戦に持ち込んでいるあたりも含めて、セロンらしいといえばその通り。しかしながら、フィクション臭さが目についてしまい、どうもストーリーに入り込めない印象もあった。キキ・レインも好演していたが、日本語吹き替えが幼すぎる声で興味を削いだ。

キャスティングで一番の見どころは、医薬品企業のCEOを演じるハリー・メリング。ハリー・ポッターシリーズではハリーの従兄のダドリー役だが、あの太った子供がこうなってしまうとは驚きだ。写真を並べてみると、ダイエット商品のビフォー・アフターのようですらある。目や口など顔のパーツが中央に寄っている顔立ちなので、まるで顔の周縁部の肉を削ぎ落したように見えてしまうのだ。

いずれにしても、今後に期待したいところだが、本作を見る限りこのシリーズにどこまで人気が出るかは未知数。下手をすると、ここで打ち切りということにもなりかねない。その可能性は、残念ながら十分にありそうだ…