【オンライン映画祭】We Are One

10日間にわたるオンラインの国際映画祭「We Are One: A Global Film Festival」がYouTubeで開催されており、東京国際映画祭も参加している。時間によって異なる作品を配信しているようだが、僕が見たのはVenice Film Festivalから出展されている31分の「No One Left Behind」と過去に受賞歴のある6分ほどの作品「Unspoken」だった。

「No One~」は、PTSDによって自ら命を絶ったメキシコ出身の米兵の葬儀を、参列した米軍兵士の視点から描いた作品。葬儀の場面では様々な思いが交錯するものだが、それは国や文化を問わず共通言語なのだろう。英語とスペイン語で展開するが、映像だけでも十分に意味をつかむことはできるし、心も揺り動かされる。

「Unspoken」は、たまたま知り合った隣人の男女が玄関や車のワイパーに挟んだ手紙で交流を深め、デートの約束に至るというストーリー。シナリオ自体はよくある内容だし、見終わってみて「自分ならこうするのに」という思いが湧いてくるのだが、それも含めて心地良い余韻に浸ることができる。作品のエンディングとしても、それはそれとして十分に受け容れられるものだ。

ショートフィルムは、短い分だけ内容が凝縮されている。僕は小説でも長編以上に掌編が好きなのだが、それと同じで、想像力を働かせる余地がある方が楽しめると思っている。妄想かもしれないが、楽しむことが一番なのだ。