【Netflix】エル・カミーノ

ブレイキング・バッドの続編としてヴィンス・ギリガンが監督を務めた映画作品「エル・カミーノ」は、アーロン・ポール演じるジェシーのその後を描く。正確に言うと、ブレイキング・バッドの中で描かれなかった部分を補いながら、最終回直後のシーンにつなげる展開だ。

2013年に放送が終わった作品だけに、登場人物は6年の月日を感じさせる。最終回の続きなのに、ジェシーは老けてしまっているし、トッドは老けた上に太ってしまって別人のようだった。回想シーンで登場するジェーンも、回想シーンなのに明らかに齢を重ねている。それらを特殊メイクなどで過剰に補うこともなく、開き直っているように見えるのは、ある意味潔くて好感が持てる。

本編の登場人物もかなり登場し、ファンにはうれしい内容になっている反面、本編を見ていない人には敷居が高く、何を見せたいのかわからないまま2時間が過ぎてしまうことだろう。スピンオフ作品としては「ベターコールソウル」も好評だが、ジェシーのさらにその後やスカイラーとマリー姉妹、ジュニアなどの物語も見てみたいものだ。アルバカーキの風景とともに、ブレイキング・バッドの濃厚な世界観をまだまだ味わいたい。