【フェドカップ】スペインに完敗

大坂なおみを起用しながら、シングルスで1つも勝てずに敗退したフェドカップ日経新聞の記事では、土橋キャプテンが「選手のパフォーマンスを最大限に引き出せなかったベンチワークも問題」と語ったとしているが、「も」ではなく「が」が正しい。そもそも東京オリンピックの出場資格に近づくために、何の準備をしていない大坂を招集したことがすべての始まりだ。それはまあ、日本国民の願いだろうから仕方ないとしても、この時期のクレーコートに対する準備は明らかに不十分だったし、いかにもクセがあるカルタヘナのコートに関してスカウティングがなされたようには思えない。

練習パートナーを2人も帯同させ、スタッフもかなり充実していたようだが、それよりも他にすることがあったのではないだろうか。この内容と結果でありながら大坂のコメントが「いい雰囲気で、みんなと仲良くなれた」では、プロとして何を考えていたのだろう。陣営席で他の選手とコミュニケーションをとっていたようには見えなかったし、スタッフも選手も観光気分ではなかったと言い切れるだろうか。

勝てなかったのは実力の差であって、仕方のないことだ。ただ、勝つつもりがあるなら、もっとできることはあったはずだし、準備ができていればあのようなアンフォーストエラーを繰り返すこともないだろうし、切り替える手立てがあったはずだと思うのだ。励ますことと慰めることしかできないキャプテンなら、素人でもよい。土橋キャプテンがそこにいる意味を、もう一度見つめ直していただきたい。