【ローランギャロス】大坂なおみ―ティーグ

マドリードでは、相変わらずクレーコートの感触がつかめていない印象を受けた大坂なおみだったが、ローランギャロスではいきなり日曜日の最初のマッチとしてフィリップ・シャトリエで組まれた初戦に臨んだ。相手のティーグは試合巧者で、ウエアのイメージからもシェイ・スーウェイを思わせるようなプレー。苦しい体制からコートの外へ逃げる回転をかけてしのいだり、アングルの効いたサーブを入れてくるあたりは、よい意味で実に嫌らしいテニスに見える。

しかし、大坂はマドリードから進化していた。本人もオンコートインタビューで"work in progress"という表現を繰り返していたので、おそらく強く実感しているのだろう。クレー上でのスライドがうまくハマっていた上に、マドリードでは散々だったクレーでのバウンドに対応できていた。アンフォーストエラーは多かったが、サーブもさほど悪くなく、ウイナーを連発したことで十分にお釣りがきた。また、ティーグがファーストサービスが入らずに苦しんでいたので助けられた感もあるが、一歩踏み込んでセカンドサービスを狙ったり、深いプレースメントで相手を下げる場面も見られ、まさに成長を感じさせる内容だったのだ。

ここで少し日程が空くことになるが、しっかりローランギャロスのレッドクレーになじんで次につなげられればよい。次戦もルーマニアの選手が相手ということで、決してやりやすいことはないだろう。プレス会見拒否問題でオフコートでのプレッシャーも大きいだろうが、まずはオンコートに集中だ!