【全豪オープン】ケニン―ムグルッサ

厳しいショットを叩き込んでも、深いところにリターンが返ってくる。ここぞというタイミングでは、まずミスをしない。序盤こそ、深いショットの後に見せるドロップショットが甘くなってムグルッサにつけ込まれたものの、セカンドセット以降は完全にケニンが圧倒していた。メンタルの強さが際立っていたが、フォアのスライスやドロップショットを大胆に使うなど攻めの多彩さこそがケニンの持ち味だろう。

一方のムグルッサは、サーブの乱れが痛かった。要所でダブルフォルトを重ねてしまったことで、プレーに自信が持てなくなってしまったようだ。そんな弱気になったところに、ラリーで崩れずにリターンを返し続けるケニンのプレッシャーが押し寄せてきたことだろう。波はありそうだが、これで自信をつけてもう一段成長するような気がする。

過去の大会から昨日まで、ムグルッサのことを「ムルグッサ」と呼び続けていた伊達公子だったが、今日は周囲の実況アナウンサーやスタッフも含めてかなり意識していたようだ。そのあおりで、キリマンジャロを「キリマンジェロ」とか「キリメンジェロ」と読んでしまったのはご愛敬だが、何とか最後まで間違えずに乗り切ったように思う。こういう言い間違いは無意識なので、かなり気疲れしたはずだ。