ワイルドカード大会で優勝して久しぶりにグランドスラムに帰ってきた伊藤竜馬は、グネスワランと対戦。思い切りの良いテニスは彼らしさの象徴だが、焦らずに粘り強く戦ったことも奏功して勝ち切った。サードセットはイーブンの展開から、グネスワランがウォーニングを受けてゲームを落としてしまった。これも勝負の綾だろう。次戦のジョコビッチには楽天オープンで添田が善戦しているだけに、どこまで通用するかチャレンジして欲しい。
日比野菜緒は、ペン・シューアイに攻め勝った。ドロップショットやムーンボールなど、とにかく多彩な攻めを効果的に決めて、最後は足に痙攣が来てしまったペン・シューアイに若干の配慮を見せつつも振り切った。勝った後に痙攣している相手をいたわって、ネットの向こう側まで握手に赴いた日比野が素敵だ。
一方、土井美咲もダート相手に攻めてはいたのだが、いかんせん精度に欠けた。狙いすましてのフォアの逆クロスや意表を突いたスライスがことごとくミスにつながり、勝てるチャンスは何度もありながら競り負けてしまった。ファイナルセットをタイブレークに行く前に、ロブが浅くなってしまった場面が悔やまれる。
杉田祐一は、好調だった頃のプレーがかなり戻ってきている印象だ。ショットももちろんだが、プレー中の自信に溢れたように見える表情に復活の兆しを感じた。内山靖崇は、まだ負傷が癒えていないのだろう。ダブルスはボパンナと組む予定なので、何とかそちらも出場してもらいたいものだ。
