【ウィンブルドン】錦織! 西岡! 日比野!

雨で進行が遅れ気味のウィンブルドン1回戦だが、水曜日には錦織圭、西岡良仁、日比野菜緒が相次いで勝利を収めた。錦織はポピリンを相手に、本来の錦織らしいテニスを展開。相手の強打をかわしてストローク戦に持ち込むと、前後左右巧みな組み立てでポイントを重ねる。特にポピリンが腕が長いことを逆手に取って、ラケットを合わせにくいボディ狙いのショットも冴えていた。また、回転の打ち分けでポピリンのアンフォーストエラーを誘う場面もあり、前哨戦で垣間見えた手首の不安も今のところは問題なさそうだ。

西岡はビッグサーバーのイズナーを相手の真っ向勝負。強烈なファーストサーブさえしのげば、西岡らしい多彩なボールの打ち分けやすばしっこいコートカバリングでイズナーを圧倒した。イズナーはビッグサーブだけで終わりたくないのだろうなという印象で、ストローク戦では随所にドロップショットやネットプレーなど西岡を揺さぶろうとする場面があったが、それらが微妙に意図とずれてポイントを失っていたように感じた。ファイナルセット終盤に素晴らしいカバリングからのリターンが決まって観客を盛り上げようと両手を回す西岡の表は実に楽しそうで、観客もかなり西岡びいきになっていたことがうれしかった。

そして、日比野は日没サスペンデッドを経てセットオールからの再開。サイドに切れ込みのあるちょっと変わったユニフォームで登場した日比野は、安定したプレーでペラを退けた。次の相手サスノビッチは難敵だが、決して勝てない相手ではないので、日本の女子シングルス勢で唯一残っている日比野に期待したい。