【ATPカップ】日本―ロシア

ホテル従業員1名のコロナ陽性判明で、他の大会とともにDay-3が延期となったATPカップだが、日本の初戦となったDay-2は久しぶりにテニスを堪能できる一日だった。ルブレフに挑んだ西岡良仁は、ファーストゲームをいきなりブレークしたものの、これでルブレフに火がついてしまった。本来なら多彩な回転とプレースメントの打ち分けで相手を揺さぶるのが西岡のテニスだが、ルブレフの早い仕掛けの前に後手に回ってしまい、効果的にワイドを攻められて流れをつかめなかった。

続く錦織圭は、無理をしないテニス。もともと相性の良くないメドベージェフを相手に、負傷明けとしては悪くない内容での敗戦となった。ミルニの指導効果かネットプレーには冴えも見られたが、ドロップショットがあまり見られず、ショットもやや浅めだったせいか前後の揺さぶりに欠けていた印象があった。全豪に向けての準備プロセスと位置付けているのは間違いなさそうなので、その意味では上出来だと言ってもよいのではないだろうか。

ダブルスは急な渡航制限でニュージーランドからの移動が直前となったマクラクラン勉が、西岡と組んでドンスコイ/ カラツェフ組と対戦。ベンチで暇そうにしていた松井俊英の連戦を避けるためか、もともと松井はバックアップ要員なのかは気になるところだ。ファーストセットは落としたものの、徐々に連携の質を上げる日本チーム。要所でマクラクランがサービスエースを決める。マッチタイブレークではロシアのショットガロングで勝利かと思ったものの、これがインの判定。そこで握られたマッチポイントをしのいで、次のポイントを奪って勝ち切った。

コロナ感染の影響で今後の日程は不透明だが、せっかくの大会なのでアルゼンチンとの対戦もぜひ楽しみたいものだ。もちろん、選手や関係者の安全が最優先ではあるが…