【ローランギャロス】ツォンガ―ルード

今大会での引退を表明しているツォンガだったが、試合の序盤はフィリップ・シャトリエのスタンドに空席が目立った。しかし、ガスケの試合が終わって流れてきたのかどうかはわからないが、気が付くとほぼ満席。そして、スタンドは大いに盛り上がっていた。ヴァイキング・クラップを思わせ宇手拍子はノルウェー人のルードへの応援かと思いきや、ツォンガの顔をモチーフにしたシャツを着た一団によるものだった。

最初の2セットがいずれもタイブレークに持ち込まれるなど、一進一退の攻防。二人とも非常にていねいなテニスで、クレーコートの特性を十分に理解した上でタクティカルなプレーを堪能させてくれた。何度もドロップショットを仕掛けるツォンガに対して、ルードも拾いまくる場面には特に見応えがあった。これで引退なんて、もったいないとしか言いようがない。まだまだできるように思えた。ただ、そうは言っても体力面で5セットマッチは厳しかったのだろう。1セットオールになってからは、ツォンガにとって盛り返すのは至難の業だった。

日本人にしてみれば、残されたシングルスの選手である土居美咲と西岡良仁が気になる。土居は序盤から攻めながらミスが目立ち、地元の声援を受けて調子に乗ってしまったコルネに一蹴される。そして西岡は、ジョコビッチ相手にかろうじて序盤こそ食いついたものの、セカンドセット以降は何もすることができなかった。ジョコビッチに対しては奇策を弄するか、もしくは左利きであることを活かして愚直にミスを待つしかなかったが、どちらかというと前者で行った西岡が玉砕した格好だ。ゴランソンと組んだマクラクラン勉も姿を消し、すでに後は女子ダブルスしかなくなってしまった。