【ラグビーワールドカップ】ニュージーランド―カナダ

63-0で圧勝したオールブラックスだったが、カナダとの一番の差はタックルだった。2~3人に止められても振りほどいて前進できるニュージーランドと軽々と体を浮かせられてしまうカナダでは、力の差は歴然だった。カナダはボールを受けてから考えて動き出すケースが多く、あれではたやすくプレッシャーを受けてしまう。サッカーでも同じだが、予測して動くことやアジリティ、つまり動き出しの早さが大事になってくる。

 

しかし、オールブラックスも完璧ではなかった。思っていた以上にハンドリングエラーが目立ち、惜しい場面でのノックオンが相次いだ。大分スポーツ公園総合競技場の湿度は88%。これでは汗で楕円のボールはすべってしまうことだろう。スコットランドに完敗したサモアが「ボールが石鹸のように滑った」と言っていたようだが、湿度対策もこれからの試合では考える必要がありそうだ。

 

そんなオールブラックスの今日のベストプレーは、2つ目のトライ。逆サイドでフリーになっていた右WTBのジョーディー・バレットに送ったキックパスだった。同様のキックパスは、博多の森のフランスーアメリカ戦でも見られたようだが、こういったプレーの精度の高さにワールドカップのレベルの高さを痛感させられる。