【小説】わがままな遺伝子2 -サンサーラ

以前ご紹介した僕の小説「わがままな遺伝子」の続編を、ホームページにアップしましたので、よかったらぜひ読んでみてください。前作では、人間を自分たちの生の連鎖における「乗り物」であるかのように振舞う遺伝子と「戦う」女性を描きましたが、今作は自分の遺伝のループをここで断ち切ることの苦悩をテーマにしています。

<少しだけ、本文を紹介します>
彼女のそのつぶやきは歌うように、しかし少しだけ空気を不規則に震わせる頼りなげな響きがあった。僕の部屋でも、そして彼女の部屋でもないその空間はすでに灯りが落とされていたが、安っぽい色の壁紙と掛け布団が落ち着かなさを醸し出している。先ほどまで僕が見下ろしていた彼女の端正な表情は、今は右側の壁に向けられているので、窺い知ることはできなかった。ただ、その言葉だけが、壁に反射して僕の鼓膜を叩いた。「輪廻から解脱するのって、ちょっと恐い」

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