【コミック】BLUE GIANT SUPREME(3)

ジャズをテーマにした「BLUE GIANT」がいったん完結し、主人公の宮本大がドイツに渡って新たなスタートを切る展開を描く続編の「BLUE GIANT SUPREME」も3巻目。今回は、ハンブルクからベルリンに向かうところまでを扱っている。バンドのパートナーを探す宮本大がベーシストのハンナ・ペーターズを追い、仲間になることを説得する。

ハンナの性格がいかにもドイツ人であり、いかにも孤高のベーシストでジャズプレイヤーとして描かれているのが見事だ。ドイツはもうかなり昔に訪れただけだが、他のヨーロッパ諸国とは一線を画している印象がある。まじめで論理的で、つまりは理屈っぽくて自分の考え方をしっかり持っている、そんなドイツ気質がよく表現されていると思うのだ。

この作品は、行間に音が見える。静寂や客の心の動き、プレイヤーの気持ちまで含めて、音が浮かび上がってくる。それが心地よいし、かつて音楽を演奏する立場だった自分の昔の姿が思い出されて、懐かしい気持ちにさせられる。宮本大が、ジャズプレイヤーにしては素直で純粋であることも、この作品の魅力だろう。