【リオ・オリンピック】陸上4×100リレー

今回のオリンピックで4継には期待していた。個人のタイムも十分戦える水準にあるし、何よりも予選で見せてくれたパフォーマンスは素晴らしかったからだ。ただ、若い選手たちだけに、大舞台で緊張してしまう可能性も大いにあるとは思っていた。

そして迎えた決勝。そんな懸念は、一切不要だった。山縣は、ジャマイカのパウエルを凌ぐ出足を見せて飯塚につなぐ。そしてバックストレートでバトンを受けた桐生が一気に加速すると、レースはそこが中心になった。コーナーを回った桐生からアンカーのケンブリッジにバトンが渡るその瞬間、日本はおそらく先頭に立っていた。テレビで観戦していた僕は、その場面で思わず声が出てしまうほどの興奮を感じていたのだ。

ボルトに食らいついたケンブリッジは、ボルトには振り切られながらもブロメルの追い上げに屈しない。一気に追い込んだカナダのドゥグラスも抑えて、2位でゴールしてしまった。失格したとはいえ、米国よりも先にゴールしたことにも大きな価値がある。米国の失格理由は、1走のロジャースから2走ガトリンへのバトンパスが、テークオーバーゾーンに入る前に始まってしまったということのようで、いわばアクシデント。0.02秒差で先着した意義を大いに評価したい。素晴らしい結果を残してくれた4人に感謝しよう。